オフィスで使用する少額の物品(ノート、ボールペン、鉛筆、ホッチキス、のり、ファイル、インク、トナー、コピー用紙、伝票綴りなど)を購入した際には、これらの費用を「事務用品費」や「事務用消耗品費」などの勘定科目で記帳します。
同様の少額物品購入に使われる勘定科目として「消耗品費」もあります。一般的に、筆記用具やデスク関連の小物を購入した場合は「事務用品費」、その他の消耗品を購入した場合は「消耗品費」を使用します。
ただし、特に決まったルールはなく、企業ごとに経理ルールを定め、そのルールに基づいて一貫して処理することが大切です。
本記事では、事務用品費の仕訳方法について、具体例を交えて解説します。
具体例
事務用品を購入する場合、その費用は「事務用品費」または「事務用消耗品費」として記帳します。支払い方法に応じて、現金や未払金として処理を行います。
例題1
社内で使用するノートやボールペン、修正液などを10,000円で購入し、代金を現金で支払った。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
事務用品費 | 10,000 | 現金 | 10,000 |
この場合、購入した物品の費用は「事務用品費」として計上します。
なお、少額の事務用品(例:ノート、ボールペン、修正液)を10,000円以内で一括購入する場合、「事務用品費」としてまとめて処理することは一般的で、問題ありません。
「少額」の具体的な金額は、会社や業界の規定により異なる場合がありますが、一般的には1回の購入で10,000円〜30,000円程度が「少額」とされることが多いです。この範囲であれば、一括で処理しても問題ないことが多いですが、それ以上の金額になると、複数の項目に分けて処理することを求められる場合があります。
会社の規定や税務署の指針に従うことが重要ですので、もし不安がある場合は、経理担当者に確認するのが良いでしょう。
例題2
社内で使用するコピー用紙やインク、トナーなどを30,000円で購入し、代金はクレジットカードで支払った。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
事務用品費 | 30,000 | 未払金 | 30,000 |
この場合、購入金額30,000円を「事務用品費」として計上し、クレジットカードでの支払いは「未払金」として処理します。なお、摘要欄には「事務用品購入 クレジットカード(○○)」と記入します。○○には、VISAや楽天カードなど、使用したカード名を具体的に記載します。
事務用品費の税務上の取り扱い(実務上の注意)
消耗品や事務用品は使用した時点で損金となります。したがって、期末に未使用の事務用品がある場合、それを損金として処理するのではなく、貯蔵品として資産計上する必要があります。
ただし、毎期の購入量が一定で、かつ経常的に使用しているものについては、購入時に継続して費用処理を行っていれば、税務上も損金として認められます(法人税法基本通達2-2-15)。
まとめ
事務用品費の記帳方法は、費用を負担する者によって異なります。自社が負担する場合は「事務用品費」として計上し、取引先が負担する場合は「売掛金」や「立替金」として処理します。
また、税務上は使用時点で損金として処理することが求められますが、未使用の事務用品がある場合は資産計上が必要です。取引の実態に合わせた正確な仕訳を行うことが、適切な会計処理につながります。