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合計試算表・残高試算表・合計残高試算表の違いを簡単に理解しよう

簿記の学習を進めていく中で、試算表を作成する機会は増えていきます。しかし、試算表の作成方法に関しては、初心者には少し難しく感じられることも多く、混乱する場面がよく見受けられます。

試算表の基本的な役割は、総勘定元帳の金額を集計し、その内容を点検することです。具体的には、総勘定元帳に誤りがないかを確認するための重要なツールとして利用されます。

この記事では、試算表の作成方法や各種類の違いについて、わかりやすく解説していきます。

 

試算表を使って総勘定元帳の誤りを発見する

簿記で最も重要なことは、総勘定元帳を正確に作成することです。企業の財政状態や経営成績を明確にするためには、正確な総勘定元帳が欠かせません。これらの財務諸表(貸借対照表や損益計算書)は、すべて総勘定元帳を基に作成されるため、元帳の正確性が非常に重要です。

試算表を使用することで、総勘定元帳の誤りを早期に発見することができます。試算表では、仕訳帳の借方と貸方の合計が一致しているかをチェックします。もし一致していなければ、どこかに誤りがあることが確実にわかるため、そこに焦点を当てて修正を行います。

試算表が借方と貸方で一致しているからと言って、誤りが完全になくなるわけではありませんが、一致していなければ誤りのサインとして見逃せません。試算表を使った誤りの発見方法については、他の記事でも詳しく解説しています。

また、試算表は必ずしも期末にしか作成しなくても問題はなく、定期的に作成することでミスを早期に発見できます。しかし、作成するタイミングや手間については十分に考慮する必要があります。

「試算表」の略称として「T/B(Trial Balance)」もよく使われますが、簿記試験ではあまり頻繁には見かけないため、覚えておくと便利です。

 

試算表の種類とその違い

試算表には大きく分けて3種類のタイプがあります。それぞれの特徴をしっかり理解しておくことが重要です。

  1. 合計試算表
    総勘定元帳の各勘定の借方と貸方の合計を集計したものです。この試算表は、主に記帳が正確に行われたかを確認するために使われます。
  2. 残高試算表
    合計試算表の借方と貸方の差額を基に作成される試算表で、勘定ごとの残高を確認することができます。
  3. 合計残高試算表
    合計試算表と残高試算表を組み合わせた形式で、両方の情報を一度に確認できる試算表です。

試算表を使いこなすためには、これらを混同しないことが非常に重要です。特に、合計試算表と残高試算表を間違えると、誤った金額を記入してしまうリスクが高くなるため、どの試算表を使用するかを慎重に選択することが求められます。

また、別途「繰越試算表」というものも存在し、次期への繰越額の正確性を確認する際に使用されます。

 

各試算表の具体的な作成方法

では、実際の総勘定元帳の例を使って、どのように各試算表を作成するかを見ていきましょう。

仮に、総勘定元帳が次のような内容だとします。

 

簿記ラボ T勘定7個

この場合の合計試算表、残高試算表、合計残高試算表はそれぞれ次のように作成されます。

合計試算表

簿記ラボ 合計試算表

 

各勘定の借方と貸方の合計を集計します。この試算表では、総勘定元帳に記載された各勘定の借方合計と貸方合計をそのまま記入します。合計試算表を使うことで、記帳ミスの有無を簡単にチェックできます。必ず借方合計と貸方合計が一致しているか確認しましょう。

 

残高試算表

簿記ラボ 残高試算表各勘定の残高を集計します。残高試算表は、合計試算表の借方と貸方の差額を元に作成され、勘定の実際の残高を確認できます。決算整理前後で作成される「決算整理前残高試算表」と「決算整理後残高試算表」がありますが、それぞれ目的が異なるので注意が必要です。

 

合計残高試算表

簿記ラボ 合計残高試算表合計試算表と残高試算表を統合したものです。これにより、各勘定の借方合計、貸方合計、差額を一目で把握できます。

まとめ

試算表は総勘定元帳に誤りがないかを確認するために非常に重要なツールです。主な試算表の種類は次の通りです。

  • 合計試算表: 各勘定の借方と貸方の合計を集計する試算表
  • 残高試算表: 合計試算表の借方と貸方の差額を基に作成する試算表
  • 合計残高試算表: 合計試算表と残高試算表を統合した試算表

試算表の作成方法をしっかり理解し、適切に活用することで、簿記の学習や実務における精度を高めることができます。

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