返品、値引、割戻

商品売買 簿記3級

返品・値引き・割戻しがあった場合の仕訳・会計処理(三分法)

2020年8月24日

商品の購入や販売を行う際には、返品・値引き・割戻しが発生することがあります。
この記事では三分法の返品・値引き・割戻しについて解説します。

関連返品・値引き・割戻しがあった場合の仕訳・会計処理(分記法)

 

返品

返品とは、商品の品違いなどの理由によって買い手から売り手に商品を返却することをいいます。
買い手側では仕入返品と呼び、売り手側では売上返品と呼びます。

返品が発生した場合には、仕入勘定や売上勘定を取り消すための仕訳が必要です。

 

仕訳パターン

・仕入返品
掛で購入した商品のうち500円を返品した。

借方 金額 貸方 金額
買掛金 500 仕入 500

 

・売上返品
掛で売り上げた商品のうち400円(原価250円)の返品を受けた。

借方 金額 貸方 金額
売上 400 売掛金 400

 

値引き

値引きとは、商品の破損や品質不良などの理由により、売上代金から控除される金額をいいます。
買い手側では仕入値引と呼び、売り手側では売上値引と呼びます。

 

仕訳パターン

・仕入値引
掛で購入した商品のうち100円の値引きを受けた。

借方 金額 貸方 金額
買掛金 100 仕入 100

 

・売上値引
掛で売り上げた商品のうち100円の値引きをした。

借方 金額 貸方 金額
売上 100 売掛金 100

 

割戻し

割戻しとは、一定期間に多額または多量の取引をした相手先に対して、代金の一部を減額することをいいます。
商品をたくさん買ってくれたお礼に安くしてあげたというイメージです。

買い手側では仕入割戻しと呼び、売り手側では売上割戻しと呼びます。
割戻しはリベートと呼ばれることもあります。

 

仕訳パターン

・仕入割戻し
掛で購入した商品のうち100円の割戻しを受けた。

借方 金額 貸方 金額
買掛金 100 仕入 100

 

・売上割戻し
掛で売り上げた商品のうち100円の割戻しをした。

借方 金額 貸方 金額
売上 100 売掛金 100

 

返品は商品の移動がありますが、値引き・割戻しは金額が減額するだけで商品の移動はありません。

 

例題

第1問

次の取引の仕訳を示しなさい。

1.当社はA株式会社より商品10,000円を掛で仕入れた。

2.仕入れた商品のうち、2,000円を返品した。

3.仕入れた商品について1,000円の値引きを受けた。

4.仕入れた商品について500円の割戻しを受けた。

 

【解答・解説】
1.

借方 金額 貸方 金額
仕入 10,000 買掛金 10,000

 

2.

借方 金額 貸方 金額
買掛金 2,000 仕入 2,000

 

3.

借方 金額 貸方 金額
買掛金 1,000 仕入 1,000

 

4.

借方 金額 貸方 金額
買掛金 500 仕入 500

 

第2問

次の取引の仕訳を示しなさい。

1.当社はA株式会社に商品10,000円を掛で売り上げた。

2.売り上げた商品のうち、2,000円が返品された。

3.売り上げた商品について1,000円の値引きをした。

4.売り上げた商品について500円の割戻しをした。

 

【解答・解説】
1.

借方 金額 貸方 金額
売掛金 10,000 売上 10,000

 

2.

借方 金額 貸方 金額
売上 2,000 売掛金 2,000

 

3.

借方 金額 貸方 金額
売上 1,000 売掛金 1,000

 

4.

借方 金額 貸方 金額
売上 500 売掛金 500

 

まとめ

  • 売り上げた商品について返品・値引き・割戻しがあった場合には、「売上」勘定を減少させる。
  • 仕入れた商品について返品・値引き・割戻しがあった場合には、「仕入」勘定を減少させる。
  • 返品は商品の移動があるが、値引き・割戻しは金額が減額するだけで商品の移動はない。

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