手形 簿記3級

前期以前に発生した売掛金や受取手形などが貸し倒れた場合の仕訳【貸倒引当金の取り崩し】

2022年4月8日

貸倒引当金とは、売掛金や受取手形、貸付金などの貸倒れに備えて、回収不能の見込み額を計上したもののことをいいます。

この記事では、前期以前に発生した売掛金などが貸倒れたときの仕訳について解説します。

前期以前の債権が貸し倒れた場合

前期以前に発生した売掛金などの債権が、当期に貸し倒れとなった場合には、貸倒引当金を取り崩します。
なお、貸倒引当金を設定していない場合は、貸倒引当金勘定の代わりに貸倒損失勘定(営業外費用)を使用します。

 

貸倒引当金を設定している場合

<例>
前期発生の売掛金30,000円が貸し倒れた。なお、前期末に売上債権に対して貸倒引当金50,000円を計上していた。

借方 金額 貸方 金額
貸倒引当金 30,000 売掛金 30,000

 

貸倒引当金を設定していない場合

<例>
前期発生の売掛金30,000円が貸し倒れた。なお、貸倒引当金の設定はしていない。

借方 金額 貸方 金額
貸倒損失 30,000 売掛金 30,000

 

貸倒引当金が不足する場合

<例>
前期発生の売掛金30,000円が貸し倒れた。なお、前期末に売上債権に対して貸倒引当金20,000円を計上していた。

借方 金額 貸方 金額
貸倒引当金 20,000 売掛金 30,000
貸倒損失 10,000

 

練習問題

問題1

得意先A社が倒産し、前期発生の受取手形500,000円が貸し倒れた。なお、前期末に売上債権に対して貸倒引当金700,000円を計上していた。

借方 金額 貸方 金額
貸倒引当金 500,000 受取手形 500,000

 

 

問題2

得意先A社が倒産し、前期発生の貸付金1,000,000円が貸し倒れた。なお、貸倒引当金の設定はしていない。

借方 金額 貸方 金額
貸倒損失 1,000,000 貸付金 1,000,000

 

 

問題3

前期発生の売掛金100,000円が貸し倒れた。なお、前期末に売上債権に対して貸倒引当金70,000円を計上していた。

借方 金額 貸方 金額
貸倒引当金 70,000 売掛金 100,000
貸倒損失 30,000

 

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