商品売買 簿記3級

クレジット売掛金の仕訳と勘定科目について解説【売掛金との違いに注意】

クレジット売掛金とは、クレジットカード取引によって発生した売掛債権のことです。クレジット売掛金は後日、金銭を受け取る権利なので資産に属する科目です。
クレジット売掛金も基本的な考え方は通常の「売掛金」と同じです。ただし、支払手数料や消費税の取り扱いについては注意が必要です。

 

「クレジット売掛金」と「売掛金」の違い

売掛金とクレジット売掛金の違いは、債権先が違う点です。

  • 売掛金の場合・・・商品を販売した相手(得意先)が債権先
  • クレジット売掛金の場合・・・信販会社(クレジット会社)が債権先

 

【図1:売掛金の場合】

 

 

【図2:クレジット売掛金の場合】

 

クレジット売掛金の基本仕訳

販売時

借方 金額 貸方 金額
クレジット売掛金 xxx 売上 xxx
支払手数料 xxx

 

入金時

借方 金額 貸方 金額
現金預金 xxx クレジット売掛金 xxx

 

 

勘定科目と表示区分

勘定科目(表示科目) 表示区分
クレジット売掛金 流動資産

売掛金は販売した相手に対する債権で、クレジット売掛金は信販会社に対する債権であるため、売掛金とクレジット売掛金は勘定科目を区別して仕訳をします。

なお、クレジット売掛金は「売掛金」に含めて貸借対照表(B/S)に表示するので注意してください。

 

 

練習問題

問題1:消費税なしの場合

次の各時点における仕訳を示しなさい。

①A社は、商品50,000円をクレジット払いの条件で販売した。なお、信販会社へのクレジット手数料は販売代金の4%であり、販売時に認識するものとする。

②上記のクレジット払いの条件で売り上げた50,000円から手数が引かれた残額が、信販会社からA社の当座預金口座に振り込まれた。

 

【解答・解説】

借方 金額 貸方 金額
クレジット売掛金 48,000 *2 売上 50,000
支払手数料 2,000 *1

*1 50,000円×4%=2,000円
*2 差額

 

借方 金額 貸方 金額
当座預金 48,000 クレジット売掛金 48,000

 

 

問題2:返品があった場合

クレジット払いの条件で販売した商品20,000円が返品されたため、当該取引の取り消し処理を行った。なお、信販会社へのクレジット手数料4%を販売時に計上している。

 

【解答・解説】

借方 金額 貸方 金額
売上 20,000 クレジット売掛金 19,200 *2
支払手数料 800 *1

*1 20,000円×4%=800円
*2 差額 20,000円ー800円=19,200円

 

 

問題3:消費税あり(税込方式)

A社は、商品40,000円をクレジット払いの条件で販売した。なお、信販会社へのクレジット手数料は販売代金の4%であり、販売時に認識するものとする。
消費税の税率は10%とし、A社は税込方式を採用している。また、クレジット手数料には消費税が課されないものとする。

 

【解答・解説】

借方 金額 貸方 金額
クレジット売掛金 42,400 *3 売上 44,000 *1
支払手数料 1,600 *2

*1 40,000円×1.1=44,000円
*2 40,000円×4%=1,600円
*3 差額 44,000円ー1,600円=42,400円

 

 

問題4:消費税あり(税抜方式)

A社は、商品40,000円をクレジット払いの条件で販売した。なお、信販会社へのクレジット手数料は販売代金の4%であり、販売時に認識するものとする。
消費税の税率は10%とし、A社は税抜方式を採用している。また、クレジット手数料には消費税が課されないものとする。

 

【解答・解説】

借方 金額 貸方 金額
クレジット売掛金 42,400 *3 売上 40,000
支払手数料 1,600 *2 仮受消費税等 4,000 *1

*1 40,000円×10%=4,000円
*2 40,000円×4%=1,600円
*3 差額 40,000円+4,000円-1,600円=21,200円

 

 

まとめ

  • 売掛金は販売した相手に対する債権で、クレジット売掛金は信販会社に対する債権。
  • 基本的な考え方は、クレジット売掛金も通常の売掛金と同じ。
  • クレジット売掛金は、売掛金に含めて貸借対照表の流動資産に計上する。

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