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クレジット売掛金とは、クレジットカード取引によって発生した売掛債権のことです。クレジット売掛金は後日、金銭を受け取る権利なので資産に属する科目です。
クレジット売掛金も基本的な考え方は通常の「売掛金」と同じです。ただし、支払手数料や消費税の取り扱いについては注意が必要です。
「クレジット売掛金」と「売掛金」の違い
売掛金とクレジット売掛金の違いは、債権先が違う点です。
- 売掛金の場合・・・商品を販売した相手(得意先)が債権先
- クレジット売掛金の場合・・・信販会社(クレジット会社)が債権先
【図1:売掛金の場合】
【図2:クレジット売掛金の場合】
クレジット売掛金の基本仕訳
販売時
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
クレジット売掛金 | xxx | 売上 | xxx |
支払手数料 | xxx |
入金時
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
現金預金 | xxx | クレジット売掛金 | xxx |
勘定科目と表示区分
勘定科目(表示科目) | 表示区分 |
クレジット売掛金 | 流動資産 |
売掛金は販売した相手に対する債権で、クレジット売掛金は信販会社に対する債権であるため、売掛金とクレジット売掛金は勘定科目を区別して仕訳をします。
なお、クレジット売掛金は「売掛金」に含めて貸借対照表(B/S)に表示するので注意してください。
練習問題
問題1:消費税なしの場合
次の各時点における仕訳を示しなさい。
①A社は、商品50,000円をクレジット払いの条件で販売した。なお、信販会社へのクレジット手数料は販売代金の4%であり、販売時に認識するものとする。
②上記のクレジット払いの条件で売り上げた50,000円から手数が引かれた残額が、信販会社からA社の当座預金口座に振り込まれた。
【解答・解説】
①
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
クレジット売掛金 | 48,000 *2 | 売上 | 50,000 |
支払手数料 | 2,000 *1 |
*1 50,000円×4%=2,000円
*2 差額
②
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
当座預金 | 48,000 | クレジット売掛金 | 48,000 |
問題2:返品があった場合
クレジット払いの条件で販売した商品20,000円が返品されたため、当該取引の取り消し処理を行った。なお、信販会社へのクレジット手数料4%を販売時に計上している。
【解答・解説】
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
売上 | 20,000 | クレジット売掛金 | 19,200 *2 |
支払手数料 | 800 *1 |
*1 20,000円×4%=800円
*2 差額 20,000円ー800円=19,200円
問題3:消費税あり(税込方式)
A社は、商品40,000円をクレジット払いの条件で販売した。なお、信販会社へのクレジット手数料は販売代金の4%であり、販売時に認識するものとする。
消費税の税率は10%とし、A社は税込方式を採用している。また、クレジット手数料には消費税が課されないものとする。
【解答・解説】
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
クレジット売掛金 | 42,400 *3 | 売上 | 44,000 *1 |
支払手数料 | 1,600 *2 |
*1 40,000円×1.1=44,000円
*2 40,000円×4%=1,600円
*3 差額 44,000円ー1,600円=42,400円
問題4:消費税あり(税抜方式)
A社は、商品40,000円をクレジット払いの条件で販売した。なお、信販会社へのクレジット手数料は販売代金の4%であり、販売時に認識するものとする。
消費税の税率は10%とし、A社は税抜方式を採用している。また、クレジット手数料には消費税が課されないものとする。
【解答・解説】
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
クレジット売掛金 | 42,400 *3 | 売上 | 40,000 |
支払手数料 | 1,600 *2 | 仮受消費税等 | 4,000 *1 |
*1 40,000円×10%=4,000円
*2 40,000円×4%=1,600円
*3 差額 40,000円+4,000円-1,600円=21,200円
まとめ
- 売掛金は販売した相手に対する債権で、クレジット売掛金は信販会社に対する債権。
- 基本的な考え方は、クレジット売掛金も通常の売掛金と同じ。
- クレジット売掛金は、売掛金に含めて貸借対照表の流動資産に計上する。