広告 簿記3級

仕入割引・売上割引の仕訳、会計処理

商品の売買において、掛代金を決済前に支払った場合に適用される割引には、仕訳における特別な処理が必要です。

割引は、支払日から決済日までの期間に相当する金利分を返却する形で提供され、通常は『仕入割引』または『売上割引』勘定を使用して記帳されます。

本記事では、割引の仕訳における基本的な考え方と、具体的な処理方法について解説します。

 

仕入割引と売上割引

割引は、利息的な性質を持つため、値引きや割戻しとは異なり、通常の仕入高や売上高の減額修正は行われません。

売掛金や買掛金の早期決済に対する金利の払い戻しとして処理されます。したがって、『仕入割引』や『売上割引』を営業外取引として記載します。

科目 内容
仕入割引 買主が受ける割引。営業外収益として計上
売上割引 売主が与える割引。営業外費用として計上

 

具体例

<例題1>

4月1日に仕入先から商品500,000円を購入し、代金は掛けとした。決済日は5月31日である。

(仕訳・購入時)

借方 金額 貸方 金額
仕入 500,000 買掛金 500,000

 

<例題2>

4月30日、仕入代金500,000円の決済時に1,000円の割引を受け、残額499,000円を現金で支払った。

(仕訳・割引時)

借方 金額 貸方 金額
買掛金 500,000 現金 499,000
仕入割引 1,000

 

<例題3>

4月1日、得意先に商品500,000円を販売し、代金は掛けとした。決済日は5月31日である。

(仕訳・販売時)

借方 金額 貸方 金額
売掛金 500,000 売上 500,000

 

<例題4>

4月30日、売上代金500,000円の決済を受けた際、1,000円の割引を行い、残額499,000円を現金で受け取った。

(仕訳・割引時)

借方 金額 貸方 金額
現金 499,000 売掛金 500,000
売上割引 1,000

 

まとめ

割引は、掛代金を早期に決済した際に適用される金利の払い戻しであり、通常の値引きとは異なります。

仕訳には『仕入割引』や『売上割引』を使用し、それぞれ営業外収益や営業外費用として記録します。

割引額は仕入高や売上高の減額修正とは扱われず、金利として処理されるため、特別な仕訳が求められます。

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