税金 簿記2級

消費税(税込方式)の決算時の仕訳【租税公課・雑収入】

2022年3月31日

会社は決算時に、受け取った消費税と支払った消費税を差し引いて、差額を未払消費税勘定(納付の場合)又は未収還付消費税勘定(還付の場合)で処理します。

この記事では、消費税(税込方式)の決算時の仕訳について解説します。

関連消費税(税抜方式)の決算時の仕訳【未払消費税・未収還付消費税】

決算時

受け取った消費税(仮受消費税)の方が大きい場合、差額を借方に租税公課勘定、貸方に未払消費税等勘定で処理します。

支払った消費税(仮払消費税)の方が大きい場合、差額を借方に未収還付消費税勘定、貸方に雑収入勘定で処理します。

受け取った消費税は、消費者に代わって納付するために預かったものなので、負債に計上します。支払った消費税は、消費税の前払いに相当するため、資産に計上します。

 

勘定科目(表示科目) 表示区分
未払消費税 流動負債
未収還付消費税 流動資産
雑収入 営業外収益
租税公課 販売費及び一般管理費

未収還付消費税(還付の場合)は日商簿記2級の範囲です。

 

仕訳パターン

預かった消費税(仮受消費税)>支払った消費税(仮払消費税)

預かった消費税の方が大きい場合の差額は納税額として、借方:租税公課勘定(費用)、貸方:未払消費税勘定(負債)で処理します。

<例題>

決算において消費税を計上した。売上にかかる消費税(仮受消費税等)200,000円、仕入にかかる消費税(仮払消費税等)170,000円であった。なお、当社は税込方式を採用している。

借方 金額 貸方 金額
租税公課 30,000 ※1 未払消費税 30,000

※1 200,000円-170,000円=30,000円

 

預かった消費税(仮受消費税)<支払った消費税(仮払消費税)

支払った消費税の方が大きい場合の差額は還付額として、借方:未収還付消費税勘定(資産)、貸方:雑収入勘定(収益)で処理します。

<例題>

決算において消費税を計上した。売上にかかる消費税(仮受消費税)150,000円、仕入にかかる消費税(仮払消費税)200,000円であった。なお、当社は税込方式を採用している。

借方 金額 貸方 金額
租税公課 50,000 ※1 未払消費税 30,000

※1 200,000円-150,000円=50,000円

 

練習問題

問題1

決算時に、消費税の仮受分100,000円から仮払分60,000円を差し引いた。なお、当社は税込方式を採用している。

 

【解答・解説】

借方 金額 貸方 金額
租税公課 40,000 ※1 未払消費税 40,000

※1 100,000円-60,000円=40,000円

 

問題2

決算時に、消費税の仮払分400,000円から仮受分350,000円を差し引いた。なお、当社は税込方式を採用している。

 

【解答・解説】

借方 金額 貸方 金額
未収還付消費税 50,000 ※1 雑収入 50,000

※1 400,000円-350,000円=50,000円

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