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簿記2級

【税込方式】消費税の受け取りと支払いに関する仕訳をわかりやすく解説

消費税を処理する方法には、「税抜方式」と「税込方式」の2種類があります。日商簿記検定では、税抜方式は3級の試験範囲、税込方式は2級の試験範囲に含まれています。

この記事では、税込方式に基づく消費税の受け取りと支払いに関する仕訳処理について解説します。

税込方式とは

税込方式は、消費税を本体価格に含めて処理する方法です。具体的には、売上や仕入れの取引において、消費税を別途勘定科目で区分せず、税込価格をそのまま計上します。この方法では、消費税を分けて管理せずに、すべてを一つの金額として扱うため、仕訳が簡便でシンプルになります。

税込方式を採用する場合、消費税を「仮受消費税等」や「仮払消費税等」などの勘定科目で管理することはなく、取引時にそのまま税込金額で仕訳を行います。このため、税額の管理が容易になり、仕訳の手間も大幅に軽減されます。

 

仕訳パターン

売上時(消費税を受け取ったとき)

税込方式では、売上金額に消費税を含めた税込価格をそのまま計上します。この際、仮受消費税等という勘定科目は使用せず、売上金額をそのまま記録します。

<例題>

商品55,000円(本体価格50,000円、消費税等5,000円)を販売し、代金は現金で受け取った。

借方 金額 貸方 金額
現金 55,000 売上 55,000

このように、税込価格で売上を計上します。消費税を分けて記入せず、売上総額として扱います。

 

仕入時(消費税を支払ったとき)

仕入れにおいても、税込価格で仕入れ金額を計上します。この場合も、仮払消費税等という勘定科目は使用せず、仕入金額をそのまま記録します。

<例題>

商品7,700円(本体価格7,000円、消費税等700円)を仕入れ、代金は現金で支払った。

借方 金額 貸方 金額
仕入 7,700 現金 7,700

このように、税込価格で仕入れを計上します。消費税を分けて記入せず、全額を仕入金額として処理します。

 

練習問題

税込方式での仕訳を練習して、理解を深めましょう。

問題1

商品110,000円(税込価額)を販売し、代金は現金で受け取った。なお、消費税は10%である。

 

【解答・解説】

借方 金額 貸方 金額
現金 110,000 売上 110,000

税込価格が110,000円であるため、そのまま売上として計上します。

 

問題2

商品55,000円(税込価額)を仕入れ、代金は現金で支払った。

 

【解答・解説】

借方 金額 貸方 金額
仕入 55,000 現金 55,000

税込価格55,000円をそのまま仕入れとして計上します。

 

まとめ

税込方式では、消費税を本体価格に含めて処理します。売上や仕入れについては、税込価格をそのまま計上し、消費税を別途分けて管理することはありません。

このため、仮受消費税等や仮払消費税等といった勘定科目を使用せずに済み、仕訳がシンプルで直感的に理解しやすくなります。税込方式を使うと、取引ごとの消費税を管理する手間が減り、簿記の処理が簡便になります。

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