固定資産税は、土地・建物・償却資産を所有している企業や個人に毎年課される地方税であり、経理処理や税務上の対応が必要な重要項目です。
本記事では、固定資産税の仕訳方法や勘定科目の選び方、都市計画税との関係、さらには損金算入のタイミングなど、実務で押さえておくべきポイントを具体例とともにわかりやすく解説します。
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固定資産税とは?
固定資産税は、市町村が課税する地方税の一種で、毎年1月1日時点で土地や建物、償却資産を所有している人に対して課されます。
課税方式は「賦課課税方式」と呼ばれ、税額は自治体が計算して通知されます。
法人税や所得税のように自己申告方式ではありません。
通常、5月頃に納税通知書が届き、年4回に分けて納付するのが一般的です。
処理のポイント
固定資産税の会計処理で特に押さえておきたいポイントは以下の通りです。
- 納税通知書を受け取った時点で「租税公課」として経費計上し、未払税金で記帳することが基本。
- 実際に支払った時点で未払税金を減少させ、現金や預金で支払処理を行う。
- 会計方針によっては、納付時に経費処理を行う「納付時損金経理」を採用する場合がある。
- 都市計画税も固定資産税と同様の処理を行うこと。
勘定科目の選び方と仕訳方法
固定資産税に関連する仕訳では、通知書を受け取った時点での処理と、実際に支払った時点での処理に分かれます。
以下に典型的な仕訳と勘定科目の使い方を整理しました。
| タイミング | 借方 | 貸方 |
|---|---|---|
| 通知書を受領時 | 租税公課 | 未払税金 または 未払金 |
| 支払時 | 未払税金 | 現金 または 預金 |
なお、都市計画税も固定資産税と一緒に課されることが多く、会計処理の方法は固定資産税と同様です。
具体例
<例題1:固定資産税の通知を受け取った場合>
固定資産税10,000円の納税通知書が届いた(まだ支払っていない)。
仕訳
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
| 租税公課 | 10,000 | 未払税金 | 10,000 |
<例題2:第1期分を支払った場合>
第1期分の2,500円を現金で支払った。
仕訳
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
| 未払税金 | 2,500 | 現金 | 2,500 |
納付時に費用処理するケース
通常は通知書が届いた時点で経費計上(損金処理)しますが、企業によっては実際に支払ったタイミングで経費計上する「納付時に損金経理」を採用している場合もあります。
この場合、通知書受領時には仕訳を行わず、支払時に「租税公課」で記帳します。
<例題3:賦課決定のみ(納付時に損金経理を採用)>
固定資産税について、10,000円の賦課が決定した。なお、当社は固定資産税を納付した時点で「租税公課」として経費処理している(決算期は12月)。
仕訳
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
| 仕訳なし |
<例題4:納付時に損金経理の場合>
第1期分の2,500円を現金で支払った。
仕訳
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
| 租税公課 | 2,500 | 現金 | 2,500 |
この処理を採用している場合、たとえば12月決算法人では、第4期分を翌年に支払った場合、翌年の損金として扱われます。
まとめ
固定資産税は、毎年必ず発生する重要な経費のひとつです。
経理処理では、通知書を受け取った時点で「租税公課」として計上し、支払い時には「未払税金」を減少させるのが原則です。
ただし、実務上は「納付時に損金処理」を選択するケースもあり、会計方針によって処理方法が変わる点に注意が必要です。
また、都市計画税についても同様の処理が求められます。
会社の経理ルールに従って一貫した処理を行い、税務調査や決算でのトラブルを回避しましょう。