収入印紙の購入・使用・決算・再振替時の仕訳と勘定科目【郵便局・コンビニで購入した場合】

収入印紙を購入・使用した際の会計処理には、主に2つの方法があります。

1つは「購入時に『租税公課』勘定を使用して費用処理し、期末まで使用されずに残った未使用分を『貯蔵品』勘定に振り替えて資産計上する方法」です。

もう1つは「購入時に『貯蔵品』勘定を使用して資産計上し、使用時に『租税公課』勘定を使用して費用処理する方法」です。

本記事では、収入印紙の購入・使用時の仕訳方法について詳しく解説します。

仕訳方法の概要

収入印紙を購入した際の仕訳方法は以下の2通りです。

1. 「租税公課」で費用処理
   収入印紙を購入した時点で一度に全額を費用計上し、期末に未使用分を「貯蔵品」勘定に振り替えて資産計上します。
2. 「貯蔵品」で資産計上
   購入時に資産として計上し、使用時に「租税公課」勘定で費用処理します。

消費税の取り扱い

収入印紙は郵便局やコンビニエンスストアなどで購入する場合、消費税は非課税となります。

しかし、金券ショップなどで購入した場合は消費税が課税されるため、取り扱いが異なります。

この点については、「金券ショップなどで収入印紙を購入した時の仕訳」をご参照ください。

具体例

次に、収入印紙の購入時に「租税公課」または「貯蔵品」で記帳した場合の仕訳処理について、具体例を交えて説明します。

購入時に「租税公課」で記帳した場合

この方法では、収入印紙購入時に全額を「租税公課」として処理し、期末に未使用分を「貯蔵品」として資産計上します。

使用時には仕訳が不要で、処理が簡便であり、実務的に広く採用されています。

＜例題１＞

郵便局で収入印紙500円を100枚購入し、代金を現金で支払った。

（仕訳－購入時）

＜例題２＞

500円の収入印紙10枚を領収書に使用した。

（仕訳－使用時）

＜例題３＞

決算日を迎え、未使用の収入印紙20枚（10,000円分）を棚卸として保管した。

（決算整理仕訳－決算時）

＜例題４＞

期首に、決算時に繰り越された未使用の収入印紙20枚（10,000円分）について、再振替仕訳を行った。

（仕訳－翌期首）

決算時に「貯蔵品」勘定に振り替えられた収入印紙の未使用分は、翌期に使用されるため、期首に「貯蔵品」から「租税公課」へ振り替え処理を行います。

購入時に「貯蔵品」で記帳した場合

この方法では、収入印紙を購入時に全額「貯蔵品」として計上し、使用時に「租税公課」で費用振替を行います。

使用するたびに仕訳を行うため、手間がかかりますが、詳細な記帳が必要な場合に便利です。

＜例題５＞

郵便局で収入印紙500円を100枚購入し、代金を現金で支払った。

（仕訳－購入時）

＜例題６＞

500円の収入印紙10枚を領収書に使用した。

（仕訳－使用時）

＜例題７＞

決算日を迎え、未使用の収入印紙20枚（10,000円分）を棚卸として保管した。

（決算整理仕訳－決算時）

まとめ

収入印紙の購入時には、「租税公課」と「貯蔵品」の2つの方法で仕訳処理が可能です。

購入時に全額を「租税公課」で処理し、期末に未使用分を資産計上する方法は簡便で、実務でもよく使用されます。

一方、購入時に全額を「貯蔵品」として計上する方法は、仕訳の手間がかかりますが、細かな記録が必要な場面には有効です。

また、収入印紙を購入する際には、購入場所によって消費税の取り扱いに違いがあるため、その点にも注意が必要です。