業務用のパソコンが故障した場合、一般的には専門業者に修理を依頼します。この際、修理代は通常「修繕費」として記帳されますが、場合によっては「消耗品費」など他の勘定科目を使って処理することも可能です。
どの勘定科目を使用するかについては明確な決まりがないため、会社の経理ルールに基づき、一貫性を持って記帳することが大切です。以下では、パソコン修理に関する具体的な仕訳例を交えて、経理処理方法を解説します。
パソコン修理代の処理方法
パソコンが故障した際の修理費用は、一般的には「修繕費」として処理されます。しかし、修理内容によっては異なる処理が必要です。
例えば、パソコンに新しい機能を追加したり、性能向上を目的とした部品交換を行った場合、その支出は資本的支出とみなされます。
この場合、経費として処理せず、資産として計上する必要があります。
なお、支出額が20万円未満であれば、たとえ資産価値の向上を目的とした支出であっても、「修繕費」として経費処理することが認められています。
具体例
以下に、パソコンの修理代に関する仕訳例を示します。
例題1:修理代が30,000円の場合
会社のパソコンが突然起動しなくなり、専門業者に修理を依頼した。修理代は30,000円で、現金で支払った。
仕訳例
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
修繕費 | 30,000 | 現金 | 30,000 |
この場合、修理代は「修繕費」として処理されます。ただし、会社の方針によっては「消耗品費」として処理することもあります。
資本的支出と収益的支出の区別
パソコンの修理が単に元の状態に戻すためのものであれば、「修繕費」として処理します。しかし、新たな機能を追加したり、性能を向上させるために部品交換を行った場合、その支出は資本的支出と見なされ、経費処理せずに資産計上する必要があります。
例えば、パソコンのCPUやメモリを交換して性能を大幅に向上させた場合、その支出は「修繕費」として計上せず、固定資産として処理します。
なお、支出額が20万円未満であれば、たとえ資産価値の向上があっても、「修繕費」として経費処理することが認められています(法人税法基本通達7-8-3「少額又は周期の短い費用の損金算入」参照)。
まとめ
パソコンの修理代の経理処理は、修理内容に応じて「修繕費」と「資産計上」に分けて行います。元の状態に戻すための修理は「修繕費」として処理し、性能向上を目的とする修理は資本的支出として資産計上します。支出額が20万円未満であれば、資産価値の向上があっても「修繕費」として計上できます。
税務上の問題を避けるためにも、適切な経理処理を行い、会社の経理ルールに従って正確に記帳することが重要です。