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期中に有形固定資産を取得・購入した場合の仕訳と減価償却の処理

企業が有形固定資産(例:建物、機械、備品など)を購入した際、購入金額に応じて該当する資産の勘定科目(「建物」「機械」「備品」など)に取得原価を計上します。

固定資産の取得原価には、資産の購入金額だけでなく、運送費用や据付費用といった付随費用も含まれます。これらの費用は、すべて固定資産勘定に組み込んで計上します。

また、期中に固定資産を購入し使用を開始した場合、その固定資産は使用開始日から期末までの間、実際に使用されていることになります。

このため、減価償却費は使用開始日から期末までの期間に対応する金額を月割りで計算して計上する必要があります。

なお、1か月未満の期間は切り上げて月割計算を行います。

 

具体例

当社は毎年3月31日を決算日としている企業である。20xx年10月10日に以下の備品を現金500,000円で購入し、即日使用を開始した。この備品を購入した時および決算時の仕訳を示しなさい。

<購入した備品の詳細>
取得原価:500,000円(内訳:本体価格490,000円、運送費等諸経費10,000円)
減価償却方法:定額法
耐用年数:10年
残存価額:0円

 

【解答・解説】

1. 購入時の仕訳

固定資産の取得原価は、購入代金と付随費用の合計額であり、購入時にその全額を固定資産勘定に計上します。購入時の仕訳は次の通りです。

借方 金額 貸方 金額
備品 500,000 現金 500,000

 

2. 決算時の仕訳

購入した備品は10月10日に取得し、決算日(3月31日)まで使用されています。そのため、この期間に該当する減価償却費を計上する必要があります。

期中に購入した場合、1か月未満の端数期間は切り上げて月割計算を行います。

借方 金額 貸方 金額
減価償却費 25,000 減価償却累計額 25,000

計算過程
当期の備品の使用期間は、10月10日から3月31日までの6か月間(端数期間は切り上げ)となります。
そのため、当期の減価償却費は次のように計算できます。
減価償却費 = (500,000円 / 10年) × 6月 / 12月 = 25,000円

 

 まとめ

企業が有形固定資産を購入する際、取得原価には購入金額に加え、運送費や据付費用などの付随費用も含まれ、これらは固定資産勘定に計上されます。

また、期中に購入した固定資産は使用開始日から期末まで減価償却費を月割で計算し、計上する必要があります。なお、1ヶ月未満の期間は1ヶ月に切り上げて計算します。

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