事業で使用している携帯電話の通話料や端末代金は、内容に応じて適切な勘定科目を用いて処理する必要があります。
特に、個人事業主の場合は私用分との区分や、端末代金の支払方法によって仕訳が変わる点に注意が必要です。
本記事では、携帯電話料金に関する基本的な勘定科目の考え方から、具体的な仕訳例までをわかりやすく解説します。
勘定科目
携帯電話に関する支出は、その内容ごとに使用する勘定科目が異なります。主な処理方法は以下の通りです。
| 科目 | 内容 |
|---|---|
| 通信費 | 毎月の携帯電話の通話料やデータ通信料など、通信サービスの利用に対する支払い |
| 事業主貸 | 個人事業主が、個人利用分の携帯電話料金を事業用口座から支払った場合の私用部分 |
| 消耗品費 | 携帯電話本体を分割払いで購入した場合の端末代金(取得時に一括計上) |
| 未払金 | 携帯電話本体代金を分割払いとした場合の、未払い分の管理 |
携帯電話は私用と事業用が混在しやすいため、使用実態に基づいた処理を行うことが重要です。
会計処理のポイント
毎月の携帯電話料金は、原則として支払時に「通信費」として処理します。
ただし、以下のようなケースでは追加の対応が必要となります。
- 個人事業主が個人名義の携帯電話を事業にも使用している場合
- 携帯電話本体代金を通話料と一緒に分割で支払っている場合
- 決算月をまたいで料金の支払いが行われる場合
それぞれの状況に応じて、継続性のある会計処理を行うことが求められます。
具体例
<例題1>
先月分の携帯電話料金10,000円が、普通預金口座から引き落とされた。
仕訳
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
| 通信費 | 10,000 | 普通預金 | 10,000 |
※決算をまたぐ場合には、未払計上が必要となるケースがあります。ただし、毎期同様の処理を継続している場合には、実務上認められることもあります。
<例題2>
個人事業主の携帯電話料金10,000円が事業用口座から引き落とされた。なお、利用状況から事業使用割合は50%と判断した。
仕訳
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
| 通信費 | 5,000 | 普通預金 | 10,000 |
| 事業主貸 | 5,000 |
按分割合については、通話履歴や利用実績などを基に、合理的に説明できる状態にしておくことが大切です。
<例題3>
問1
携帯電話を84,000円で購入し、24回の分割払い(月額3,500円)を通話料金とあわせて支払う契約とした。
(携帯電話購入時の仕訳)
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
| 消耗品費 | 84,000 | 未払金 | 84,000 |
問2
先月分の通話料10,000円と端末代金3,500円が、普通預金口座から引き落とされた。
仕訳
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
| 通信費 | 10,000 | 普通預金 | 13,500 |
| 未払金 | 3,500 |
まとめ
携帯電話料金の会計処理では、通話料は「通信費」、個人使用分は「事業主貸」、端末代金は「消耗品費」および「未払金」を用いて処理します。
特に個人事業主の場合は、事業使用分と私用分を明確に区分し、合理的な按分基準を持つことが重要です。
毎月継続して発生する支出であるため、自身の会計ルールを定め、一貫した処理を行うようにしましょう。