約束手形

手形 簿記3級

約束手形の仕訳・勘定科目

2020年8月28日

手形とは、一定の期日に代金を支払うことを約束した証券です。
手形の種類には約束手形と為替手形があります。

手形取引を行うと、受取手形勘定(資産)と支払手形勘定(負債)が発生します。

受取手形勘定は、手形によって一定の期日に代金を受取る権利が生じた場合に記帳します。
支払手形勘定は、手形によって一定の期日に代金を支払う義務が生じた場合に記帳します。

 

約束手形の記帳方法

約束手形とは、手形の振出人(発行者)が、受取人に対して一定の期日に代金を支払うことを約束する証券のことです。
代金を支払う人を振出人と呼び、代金を受取る人を名宛人と呼びます。
約束手形は省略して「約手」と呼ばれます。

 

勘定科目

  • 約束手形の振出人は手形債務が生じるので、支払手形勘定で処理します。
  • 約束手形の名宛人は手形債権が生じるので、受取手形勘定で処理します。

 

仕訳パターン

買掛金の決済として約束手形を振り出した場合

借方 金額 貸方 金額
買掛金 xxx 支払手形 xxx

 

売掛金の決済として約束手形を受け取った場合

借方 金額 貸方 金額
受取手形 xxx 売掛金 xxx

 

満期日の仕訳(受取人)

借方 金額 貸方 金額
当座預金 xxx 受取手形 xxx

 

満期日の仕訳(支払人)

借方 金額 貸方 金額
支払手形 xxx 当座預金 xxx

 

練習問題

第1問

次の資料に基づいて、A社、B社の仕訳を示しなさい。

(資料)
A社はB社に対する買掛金の支払いをするために、約束手形10,000円を振り出した。

 

【解答・解説】
A社

借方 金額 貸方 金額
買掛金 10,000 支払手形 10,000

 

B社

借方 金額 貸方 金額
受取手形 10,000 売掛金 10,000

 

第2問

次の資料に基づいて、A社、B社の仕訳を示しなさい。

(資料)
A社はB社より商品20,000円を仕入れ、代金は約束手形を振り出して支払った。

 

【解答・解説】
A社

借方 金額 貸方 金額
仕入 20,000 支払手形 20,000

 

B社

借方 金額 貸方 金額
受取手形 20,000 売上 20,000

 

第3問

次の資料に基づいて、A社、B社の仕訳を示しなさい。

(資料)
A社はB社から受け取った約束手形の取立てを銀行に依頼していたが、その手形の満期日となり、手形代金50,000円が当座預金に振り込まれた。

 

【解答・解説】
A社

借方 金額 貸方 金額
当座預金 50,000 受取手形 50,000

 

B社

借方 金額 貸方 金額
支払手形 50,000 当座預金 50,000

 

まとめ

  • 受取手形勘定は、手形によって一定の期日に代金を受取る権利が生じた場合に記帳する。
  • 支払手形勘定は、手形によって一定の期日に代金を支払う義務が生じた場合に記帳する。
  • 約束手形の振出人は手形債務が生じるため、支払手形勘定で処理する。
  • 約束手形の名宛人は手形債権が生じるため、受取手形勘定で処理する。

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