現金

現金及び預金 簿記3級

現金の範囲と通貨代用証券

2020年8月21日

現金が増加した場合は借方に、現金が減少した場合は貸方に記入します。

この記事では現金の範囲と通貨代用証券について説明します。

 

現金の範囲

簿記での現金の範囲は、私たちが日常会話として使っている現金と範囲が異なります。

簿記では現金勘定で処理するものは通貨(硬貨・紙幣)だけではなく、通貨代用証券も含みます。
通貨代用証券は、いつでも通貨に換金できるので簿記では現金勘定として処理します。

したがって、現金の範囲は「現金+通貨代用証券」になります。

 

通貨代用証券

通貨代用証券は、金融機関などで簡単に現金と交換することできます。また、支払手段として他人に譲渡することができる点が特徴です。

通貨代用証券には次のものがあります。

①他人振出の当座小切手
銀行に持参すると貨幣に換えることができる。

②利払日の到来した公社債の利札(クーポン)
金融機関に持参すると貨幣に換えることができる。

③配当金領収書
金融機関に持参すると貨幣に換えることができる。

④送金小切手
送金小切手とは、送金人が受取人に都合がよい場所の銀行を店舗を支払い場所に指定し、送金額等を払い込んで発行されるものです。
送金人は送金小切手を受取人に送付し、受取人は送金小切手を支払場所に提示して現金を受け取ります。

⑤送金為替手形
送金為替手形とは、小切手ではなく銀行を支払人とする為替手形が用いられる場合に、当該為替手形を送金為替手形といいます。

⑥郵便為替証書・振替貯金払出証書
郵便局に持参すると貨幣に換えることができる。

⑦預金小切手・預金手形
銀行が自分の店舗を支払人として振り出す自己宛小切手のことをいいます。

⑧国庫補助金支払命令書
国庫補助金とは「国庫支出金」の一つで、特定の施策を奨励するため又は財政援助のために交付するお金です。

①~⑤はよく出題されるので覚えておきましょう。

 

通貨代用証券と混同しがちなもの

①自己振出の当座小切手
→当座預金勘定

②はがき・切手
→通信費勘定

③収入印紙
→貯蔵品勘定または租税公課勘定

④電車・バスの回数券
→旅費交通費

⑤譲渡性預金の預金証書
→有価証券勘定

⑥先日付小切手
→受取手形勘定。
先日付小切手は将来の一定の期日までは金融機関に提出することができないので、「現金」勘定ではなく「受取手形」勘定として処理します。

 

仕訳パターン

現金を受け取った場合は資産が増加するので借方に記入します。

借方 金額 貸方 金額
現金 100 売上 100

 

現金を支払った場合は資産が減少するため貸方に記入します。

借方 金額 貸方 金額
仕入 100 現金 100

 

練習問題

第1問

A社の金庫に入っているものを確認したところ、以下のものがあった。

現金100,000円、利払日の到来した公社債の利札500円、未使用の収入印紙100円、先日付小切手10,000円

 

【解答・解説】
現金100,500円、貯蔵品100円、受取手形10,000円

現金100,500円=現金100,000円+利払日の到来した公社債の利札500円
貯蔵品100円=未使用の収入印紙100円
受取手形10,000円=先日付小切手10,000円

 

第2問

20x1年3月31日にA社の金庫に入っているものを確認したところ、以下のものがあった。

A社が振出した小切手で金庫に保管してあったもの50,000円
郵便為替証書300円
配当金領収書500円
未使用の電車の回数券1,000円
収入印紙700円
Z株式会社から受け取った小切手20,000円(小切手の日付は20x1年4月5日)

 

【解答・解説】
当座預金50,000円、現金800円、貯蔵品1,700円、受取手形20,000円

  • 当座預金50,000円=A社が振出した小切手で金庫に保管してあったもの50,000円
  • 現金800円=郵便為替証書300円+配当金領収書500円
  • 貯蔵品1,700円=未使用の電車の回数券1,000円+収入印紙700円
  • 受取手形20,000円=Z株式会社から受け取った小切手20,000円(先日付小切手)

 

第3問

次の資料に基づき、決算日における現金の実際有高を求めなさい。

(資料)
決算日において金庫を調べたところ、次のものが保管されていた。

①紙幣・硬貨 83,550円

②他人振出当座小切手 700円

③先日付小切手 600円

④郵便切手 100円

⑤自己振出小切手 400円

⑥公社債利札(期限到来済み500円、期限到来前100円)

⑦収入印紙 1,000円

⑧未渡小切手 30,000円

⑨株主配当金領収証 2,000円

⑩国庫補助金支払命令書 5,000円

 

【解答・解説】
現金の実際有高157,250円

①紙幣・硬貨 83,550円
→ 現金勘定

②他人振出当座小切手 700円
→ 現金勘定

③先日付小切手 600円
→受取手形勘定

④郵便切手 100円
→貯蔵品勘定

⑤自己振出小切手 400円
→当座預金勘定

⑥公社債利札
(期限到来済み500円→現金勘定、期限到来前100円→処理不要)

⑦収入印紙 1,000円
→貯蔵品

⑧未渡小切手 30,000円
→当座預金勘定

⑨株主配当金領収証 2,000円
→現金勘定

⑩国庫補助金支払命令書 5,000円
→現金勘定

 

第4問

次の取引の仕訳を示しなさい。

①株主配当金領収証3,000円がA社から送付された。

②得意先であるA社に対する売掛金50,000円についてA社振出の小切手で回収した。

【解答・解説】

借方 金額 貸方 金額
現金 3,000 受取配当金 3,000

 

借方 金額 貸方 金額
現金 50,000 売掛金 50,000

 

まとめ

  • 通貨代用証券は「現金」勘定で処理する。
  • 現金の範囲は、現金=通貨+通貨代用証券

通貨代用証券の範囲を把握することができれば、現金の問題は簡単に解くことができます。

 

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