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簿記一巡の手続きを初心者でも分かりやすく解説

簿記の学習を始めたばかりの方にとって、「簿記一巡の手続き」という言葉は少し難しく感じるかもしれません。

しかし、この「簿記一巡の手続き」は簿記学習において欠かせない基本的な概念であり、簿記を理解するために必ず押さえておくべきポイントです。

この記事では、簿記一巡の手続きがどのような流れで進んでいくのか、初心者でも分かりやすく解説します。

 

簿記一巡の手続きとは

「簿記一巡の手続き」とは、簡単に言えば、1会計期間を通じて行う「開始仕訳→期中仕訳→決算整理仕訳→貸借対照表と損益計算書の作成」という一連の流れを指します。

これは、企業や個人の会計業務における基本的なプロセスであり、簿記の実務において不可欠な手続きです。簿記一巡の流れをしっかり理解することは、簿記の基本を身につけるための第一歩となります。

簿記一巡の手続きは大きく分けて「期首」「期中」「期末」の3つのステップに分かれ、それぞれに重要な処理が含まれています。

以下では、この3つのステップについて、順を追って解説します。

 

 

簿記一巡の手続き:会計期間の流れ

簿記一巡の手続きは、会計期間の最初から最後までに行うすべての簿記処理を意味します。これを理解することで、簿記の流れを把握し、実務に役立てることができます。

 

1. 期首の手続き(開始仕訳)

会計期間の最初に行うのが「開始仕訳」です。この仕訳は、前期から繰り越すべき資産、負債、純資産などの残高を新しい会計期間に引き継ぐものです。家計簿で言う「前月繰越」のように、現時点での財政状態を記録します。

例えば、「現金はいくらあるのか」「借入金はどれくらいか」といった、期首時点の財務状況を確認し、正確に記録することで、企業の現状を把握します。この開始仕訳によって、次に発生する取引(新たな売上や支払いなど)に対して適切に仕訳を行う準備が整います。

 

2. 期中の手続き(営業手続)

期中には、日々さまざまな取引が行われます。取引とは、企業の財産や負債、利益などの増減を指します。これらの取引が発生するたびに、「仕訳」を行い、その内容を「総勘定元帳」に転記します。

まず、仕訳帳に取引を記録し、その後、総勘定元帳へ転記することで、各勘定科目の現状を正確に把握できるようになります。この一連の作業によって、企業の経営成績や財政状態の変動をリアルタイムで反映させることができます。

もしこの処理が行われなければ、企業の活動状況を正確に把握することができなくなり、経営の意思決定に大きな影響を及ぼすことになります。したがって、期中の仕訳と転記は、企業の財務状況を管理するために不可欠な手続きです。

 

3. 期末の手続き(決算整理)

会計期間が終了すると、決算手続きに入ります。決算の目的は、企業の経営成績(損益計算書)と財政状態(貸借対照表)を正確に反映した財務諸表を作成することです。

まず、期末時点で「試算表」を作成し、帳簿に記録された情報が正確であるかを確認します。この段階で試算表を用いて記帳ミスがないかをチェックし、会計データの整合性を確保します。

次に、決算整理仕訳を行います。この仕訳では、期中の取引だけでは適切に反映されない利益や損失を調整し、経営成績や財政状態を正確に示すための修正を加えます。

具体的には、発生主義に基づいて、収益や費用を適切な期間に振り分けることで、期末時点での実際の経営成績が反映されます。これにより、収益と費用が対応する期間に記録され、企業の実態に即した財務諸表が作成されます。

その後、必要に応じて損益振替仕訳や利益振替仕訳、残高振替仕訳を行い、最終的に「貸借対照表」と「損益計算書」を作成します。

貸借対照表は企業の財政状態を示し、損益計算書は経営成績を明確にします。これらの財務諸表を通じて、企業の経営状況や財務状況が正確に外部に報告される準備が整います。

 

まとめ

簿記一巡の手続きの流れは以下の通りです。

  1. 期首:開始仕訳(資産・負債・資本を繰り越す)
  2. 期中:取引 → 仕訳 → 総勘定元帳へ転記
  3. 期末:試算表 → 決算整理仕訳 → 貸借対照表・損益計算書の作成

これらの手続きを通じて、企業はその経営成績や財政状態を把握し、適切な財務報告を行うことができます。簿記を学ぶ際には、この流れをしっかりと理解することが非常に重要です。

特に、期中仕訳と決算整理仕訳を区別し、正確に処理することが簿記習得の鍵となります。

簿記一巡の流れを理解しておくことで、実務において帳簿記入や決算処理をスムーズに行うことができるようになります。

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