不動産取得税は、土地や建物を取得した際に課される地方税で、登記の有無に関係なく課税されます。
納税義務者は不動産を取得した人であり、会社が支払う場合は、その処理方法に応じて適切な勘定科目を選択する必要があります。
本記事では、「原則処理」と「容認処理」の違いを中心に、具体的な仕訳と勘定科目の使い分けについて解説します。
勘定科目の選び方
不動産取得税の支払いは、会計処理の方針により、以下のように勘定科目を使い分けます。
| 科目 | 使用するケース |
|---|---|
| 土地、建物 | 不動産取得税を資産の取得原価に含める「原則処理」の場合に使用。土地は非償却資産ですが、建物については、取得後に減価償却の対象となります。 |
| 租税公課 | 支払時に経費として処理する「容認処理」の場合に使用。固定資産に含めず、当期の費用として計上。 |
消費税の取り扱い
不動産取得税は地方税であり、消費税の課税対象外です。
したがって、仕入税額控除の対象にもなりません。
具体例
以下に、不動産取得税の原則処理および容認処理における仕訳例を示します。
原則処理:取得原価に含める場合
<例題1>
土地を取得し、その後、大阪府から届いた納税通知書に基づき不動産取得税50,000円を現金で支払った。会社の会計方針として、この税金を土地の取得原価に含める。
仕訳
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
| 土地 | 50,000 | 現金 | 50,000 |
この場合、不動産取得税は資産の一部として処理され、建物であれば減価償却の対象、土地であれば非償却資産となります。
容認処理:支払時に経費処理する場合
同様に土地を取得し、不動産取得税50,000円を現金で支払った。今回は、税金を支払時点の経費として処理する会計方針とする。
仕訳
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
| 租税公課 | 50,000 | 現金 | 50,000 |
容認処理は、法人税法基本通達により認められている処理方法で、税金を取得原価に含めず、即時に損金として計上します。
まとめ
不動産取得税の会計処理には、以下の2つの方法があります。
- 原則処理:税額を土地や建物の取得原価に含め、資産計上する。建物については減価償却の対象。
- 容認処理:税額を「租税公課」として当期の経費に計上する。会計方針として継続適用が求められる。
いずれの方法を採用する場合でも、会社としての会計処理方針を明確にし、継続的かつ整合性のある処理を行うことが重要です。