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工業簿記における原価計算の流れをわかりやすく解説

工業簿記を学んでいると、「原価計算って、どんな流れで進むんだろう?」と疑問に思うことがあるかもしれません。

また、学習を進めていくうちに、今自分がどこを勉強しているのか分からなくなることもあるかもしれません。そんなとき、原価計算の流れをしっかり理解しておけば、学習の進捗が把握でき、混乱を防ぐことができます。

この記事では、工業簿記における原価計算の流れを分かりやすく解説します。この流れを押さえておけば、勉強を進める過程が自然に理解でき、どこを学んでいるのかが明確になります。

 

原価計算の流れ

原価計算には、しっかりとした手順があります。これを順番に進めることで、正確な原価を算出することができるのです。その流れは以下の通りです。

  1. 費目別計算
  2. 部門別計算
  3. 製品別計算

1. 費目別計算:材料費・労務費・経費に分類して計算

まず、原価の要素を「材料費」「労務費」「経費」に分け、それぞれを計算します。これが「費目別計算」です。原価計算の基礎がここで固まります。

 

2. 部門別計算:部門別に集計して計算

製品は通常、複数の部門を経て完成します。たとえば、机を作る場合、以下のような部門に分かれます。

  • 切削部門(木材を切る)
  • 組立部門(切った木材を組み立てる)
  • 塗装部門(塗装を施す)

費目別計算で求めた材料費や労務費、経費を、各部門に分けて集計します。この部門別計算によって、各部門で発生したコストが明確になります。

 

3. 製品別計算:製品ごとに集計して計算

最後に、部門別計算で集計された原価を、各製品ごとに集計します。この工程を「製品別計算」と呼びます。製品別計算の結果、1個あたりの製造原価が明確になり、製品のコストが把握できるようになります。

 

原価計算期間は1ヶ月

工業簿記では、通常の会計期間が1年であるのに対して、原価計算には「原価計算期間」が設けられています。この期間は、実際に原価を計算するための期間で、通常は1ヶ月です。

毎月、原価計算のサイクルを繰り返すことで、月次で原価情報を把握することができます。これにより、迅速な経営判断が可能となります。

 

なぜ原価計算期間は1ヶ月なのか?

原価計算には主に以下の2つの目的があります。

  • 企業の財政状態と経営成績を把握すること
  • 原価管理や経営判断に必要な情報を提供すること

もし原価計算が「財政状態と経営成績の把握」だけを目的としていたなら、1年に一度行えば十分です。しかし、原価管理や経営判断に必要な情報は、もっと迅速に得る必要があります。1年に一度では遅すぎるため、原価計算は1ヶ月ごとに行うことで、よりタイムリーに経営判断をサポートする役割を果たしています。

 

まとめ

原価計算は「費目別計算→部門別計算→製品別計算」の順に進めます。この流れを理解し、1ヶ月ごとに繰り返すことで、経営に役立つ情報を迅速に得ることができます。

このように、原価計算の流れをしっかりと学んでおくことで、工業簿記の理解が一層深まります。勉強を進めるうえで、自分がどの部分を学んでいるのかを意識し、着実にステップを踏んでいきましょう。

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