広告 試験情報

第168回日商簿記1級試験感想&難易度分析!

試験全体の難易度のバランスが良好で、商業簿記と工業簿記が難しめ、会計学と原価計算がやや易しめという構成は、受験生が実力を発揮しやすい設計となっていると感じました。

商業簿記ではひねりが加えられた問題があり、冷静に部分点を狙う戦略が求められます。会計学や原価計算は基礎的な内容が多く、高得点を狙いやすい科目です。

 

商業簿記

  • 難易度: 難しめ
  • ボリューム: 少し多め。計算量自体は多くないが、問題文の読み取りに時間がかかる。
  • 目標点数: 14点

基本的には商簿の基本論点を中心に、少しひねりを加えた問題が出題されました。特に商品売買に関連する問題は初見では難しく感じるかもしれませんが、解説を見た後では理解しやすくなるタイプの問題です。

見本費、売掛金、返金負債を取れれば十分点数を稼げるでしょう。

計算問題の中でも税効果関連や有価証券、固定資産など、定番の論点が多く出題されましたが、ひねりが入っていたため、得点が難しく感じる方も多かったのではないでしょうか。特に平常心での解答が求められました。

  • アドバイス: 商品売買は部分点を狙い、税効果関連は捨て問として、他の問題で確実に得点を狙う戦略が有効です。問題文の読み取りに時間をかけ、冷静に解答しましょう。商品売買の問題は時間がかかることが多いため、焦らずに部分点を意識して解くことが重要です。税効果や特殊な問題は無理に解こうとせず、解答時間を他の問題に回すことを検討してください。

 

会計学

  • 難易度: やや易しめ
  • 分量: 少なめ(理論5分、計算20分)
  • 目標点数: 21点

第1問: 理論
比較的易しい問題で、特別な対策は必要なく、普段の勉強でカバーできる内容でした。4問中3問を取りたいところです。

第2問: 連結会計
成果連結なし、資本連結のみの基本的な問題でした。持分法や段階取得、売却なども出題されましたが、全体的に基礎問題が多く、比較的取りやすかったと思います。ケアレスミスで点を落とさないように注意が必要でした。

配点予想: 第1問の理論が各2点(計8点)、第2問の連結会計が17点。

  • アドバイス:基本的な計算問題に焦点を当て、時間を無駄にしないように心がけましょう。基本的な問題の時はケアレスミスをしないことを心がけましょう。

 

工業簿記

  • 難易度: 普通~やや難しめ
  • 分量: 少し多め。問題の読み取りは簡単ですが、計算量が多く、全体的に時間がかかる。
  • 目標点数: 15点

計算問題が多く、特に数値が細かいため、丁寧な計算と集計が求められました。全体としては良問でしたが、仕訳問題やT勘定の逆転などで点数を伸ばしにくかった方も多いのではないでしょうか。

配点調整の可能性: 点数が伸びにくい問題(仕訳問題、予算差異)は配点が低めに設定され、得意な箇所(計算問題、標準原価計算)での配点が高くなるかもしれません。

  • アドバイス: 計算問題に時間がかかるため、まずは標準原価計算など得意分野で確実に得点を狙い、その後に余裕を持って他の問題に取り組むことをお勧めします。基本的な計算問題に焦点を当て、時間を無駄にしないように心がけましょう。また、配点調整が行われる可能性もあるため、得意分野で点数を確実に取る戦略を採ると良いです。

 

原価計算

  • 難易度: 理論問題は普通、計算問題は易しい
  • 分量: 少なめ
  • 目標点数: 20点

第1問: 理論
①と②は問題なく解ける内容でしたが、③と④はスクールによって解答が分かれ、悩ましい問題でした。国語的な要素が強く、管理会計としての重要性に疑問を感じる内容でした。

第2問: 計算問題(CVP分析、業務的意思決定)
非常に基本的な問題で、簿記2級レベルの内容でした。満点を狙いたい部分です。これが出来なければ、合否に大きく影響します。

  • アドバイス: 計算問題を早めに解いて満点を狙い、理論問題では慎重に解答しましょう。理論部分の国語的要素には注意が必要です。 CVP分析や業務的意思決定の基本的な知識をしっかり身につけ、理論問題では正確に読み解く力をつけておきましょう。

 

まとめ

全体的にバランスの取れた試験でした。商業簿記と工業簿記の難易度が高めでしたが、会計学や原価計算で得点を稼げる機会が多かったため、全体として安定した得点を狙いやすい構成でした。各科目ごとの戦略をしっかり立て、難易度の低い項目で得点を伸ばすことが重要です。

-試験情報