全体的には、問題内容は良問でありながら難易度が高かった部分もありました。特に商業簿記に関しては、初見では難しく感じた問題も多かったですが、解答戦略をうまく立てることで安定した得点を狙うことができたと思います。
商業簿記
- 難易度: 高い(良問だが難問)
- 分量: やや多め(計算量が多い)
- 目標点数: 15点(最低ライン11点)
商業簿記は、計算量が多く難易度が高いと感じましたが、理不尽な難しさではなく良問の範囲内でした。特に、問題文が少しひねりを加えた形で出題されており、初見では実力者でも点数を取りにくかった部分がありました。しかし、一度このような問題に慣れれば、後は冷静に取り組むことができる内容でした。解答戦略としては、最初に資料1〜3(特殊商品売買、為替予約、収益認識)を捨て、残りの資料で点数を取りにいく方法が有効です。これにより、問題文のボリュームを減らし、精神的にも楽に解答できます。
- アドバイス: 資料1〜3を捨てて、残りの問題に集中する。30〜40分で解答を終え、余った時間で部分点を狙う。
会計学
- 難易度: 中程度〜やや難しめ
- 分量: 少なめ(理論問題が中心)
- 目標点数: 18点
会計学では理論問題の出題が中心でした。特に、連結株主資本等変動計算書の問題が難しく、受験生によっては得点が大きく分かれた部分です。基礎論点だけでは対応できない応用問題も多く、特に会計士受験生には有利だったと思います。連結会計における「利益剰余金のダイレクト算定」や「評価差額の実現」などは、事前にしっかりと対策していれば高得点を狙えた問題でした。
- アドバイス: 重要論点をしっかり理解し、応用問題に備えることが重要です。特に連結会計の応用を学んでおくと高得点に繋がります。
工業簿記
- 難易度: 中程度(やや易しめだが見解が分かれる)
- 分量: 少なめ(標準原価計算中心)
- 目標点数: 23点(最低ライン18点)
工業簿記は標準原価計算が中心の良問でした。問題量は少なめで、30分程度で解ける問題が多かったです。しかし、問題自体が基本的な内容であったため、しっかりと基本を押さえていれば満点を狙いやすかったと思います。問題の指示も明確であり、金額がすでに記入されている箇所もあり、検算がしやすかった点が良かったです。
- アドバイス: 標準原価計算の基礎をしっかり理解し、問題に慣れることが重要です。時間配分を意識し、30分〜40分で解くようにしましょう。
原価計算
- 難易度: 易しめ
- 分量: 少なめ(取替投資の問題中心)
- 目標点数: 25点(最低ライン20点)
原価計算は一見して難しそうに見えるかもしれませんが、実際には取替投資の問題であり、基本的な内容が問われました。ただし、日本語の読みづらさや解答の誘導形式が少し難解に感じる部分もありました。問題内容としては、キャッシュ・フローを用いた投資判断が中心で、基本的な知識を押さえていれば解ける内容でした。
- アドバイス: 基本的な取替投資の計算をしっかり理解しておき、時間内に解き終えることを目指す。理論問題も慎重に読み解き、確実に得点を狙いましょう。
まとめ
今回の試験は、商業簿記や会計学での難易度が高かった一方で、工業簿記や原価計算では比較的得点が狙いやすい問題が多かったです。各科目でしっかりと戦略を立て、得意分野を活かして高得点を狙うことが合格への鍵です。
特に商業簿記では解答戦略の立て方が得点に大きく影響したと思います。試験の際は、冷静に戦略を考え、無理に全問に手を出さず、確実に得点できる問題を選んで解くことが大切です。