試験を受験された方、お疲れさまでした。本試験は全体的にバランスが取れており、受験生の実力が反映されやすい構成だったと感じます。
各科目ごとに、難易度の差がありましたが、しっかりと準備していれば、安定した得点が狙える内容でした。
商業簿記
- 難易度: 普通~やや難しめ
- 分量: やや多め。計算量は多くないものの、問題文の読み取りに時間がかかる。
- 目標点数: 18〜20点
商業簿記は基本に忠実な良問が多く出題されましたが、計算処理能力が問われる場面が多く、しっかりとした準備が必要です。特に退職給付会計や連結会計は、普段の勉強でしっかりと対策しておくべき論点でした。退職給付会計は基本問題でしたが、少し形式が異なるため、解けなかった方も多かったかもしれません。連結会計は2級レベルの知識が前提となっており、個別財務諸表の処理がしっかりできていれば対応可能でした。
- アドバイス: 基本的な問題に対応できるように、計算式や処理のスピードを鍛えておくことが大切です。得点を狙うには、基本問題を確実に得点することが重要です。
会計学
- 難易度: やや難しめ(できる人とできない人が分かれる)
- 分量: 少なめ(理論問題+計算問題)
- 目標点数: 15点(6割程度)
会計学は、理論問題や分配可能額、一株当たり情報などが中心に出題され、BランクからCランクの論点が多く、これらをしっかりと対策していれば高得点が狙えた科目です。特に事業分離は過去に出題されたことがあり、ここをしっかり対策できていれば得点が安定するでしょう。ただし、事業分離の処理について理解が不十分だと、大きく点数が落ちる可能性があります。
- アドバイス: テキストの基本設例レベルをしっかりと理解し、応用問題に対する対応力をつけておくことが重要です。
工業簿記
- 難易度: やや難しめ(見解が分かれる)
- 分量: 多め。計算量が多く、指示が不明確な部分があった
- 目標点数: 15点
工業簿記は全体的に良問と感じる人もいれば、難しく感じる人もいるかもしれません。特に計算量が多く、資料の読み取りや処理方法が求められる問題が多かったです。また、問題自体の指示があいまいで、何を求められているのかが分かりづらい部分があったため、しっかりと問題文を読み解く力が求められました。しかし、問題そのものは基本的な論点が多かったため、しっかりと基礎を固めている方には高得点を狙える内容でした。
- アドバイス: 基礎的な問題が多いため、パターンを覚え、資料の読み取り力を高めることが重要です。難しい問題でも、落ち着いて冷静に対応することが求められます。
原価計算
- 難易度: 普通(計算問題は易しめ)
- 分量: 少なめ
- 目標点数: 20〜22点(高得点を狙いやすい)
原価計算は基本的な問題が多く、特に予算実績差異分析や最適セールス・ミックスが中心に出題されました。予算実績差異分析は少しひねりがありましたが、基本的な知識をしっかりと押さえていれば解ける内容でした。また、最適セールス・ミックスは過去問や問題集にも載っている定番問題であり、知識があれば得点しやすい部分でした。
- アドバイス: 基本問題が多いため、満点を狙うにはしっかりとした事前対策が必要です。焦らずに問題に取り組むことが大切です。
まとめ
今回の試験は全体的にバランスが取れており、商業簿記や工業簿記で少し難しめの問題がありましたが、会計学や原価計算では得点を狙いやすい問題が多く、全体として安定した得点を狙える構成でした。各科目ごとの戦略をしっかり立て、得意分野で高得点を狙うことが合格への近道です。