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少額減価償却資産の特例と消耗品費の仕訳(中小企業者等の30万円未満の資産)

通常、10万円以上の備品や機械などを購入した場合は、固定資産として計上し、数年にわたって減価償却を行い費用化する必要があります。

しかし、青色申告を行っている中小企業者等に限り、税法上の特例により、取得価額が30万円未満である資産(少額減価償却資産)については、購入年度に一括して「消耗品費」として費用処理することが認められています。

この特例は、1年間で300万円までの範囲内で適用可能です(租税特別措置法第28条の2第67条の5参照)。

※ 適用できる期間や制度の延長など、国税庁の法令等を確認することが重要です。

 

対象となる中小企業者等の定義

この特例を受けるためには、中小企業者等が、取得価額が30万円未満である減価償却資産(少額減価償却資産)を取得して事業に供した場合でなければなりません(国税庁・法人税FAQ No.5408 参照)。

そのうえで、下記の条件を満たす法人である必要があります。

  • 青色申告書を提出する法人であること(通算法人を除く)
  • 中小企業者または農業協同組合等であり、常時使用する従業員数が次の基準以下である法人
    • 通常法人:500人以下
    • 特定法人(※):300人以下

※ 特定法人とは、次のいずれかに該当する法人をいいます。

  1. 資本金または出資金の額が1億円を超える法人
  2. 通算法人(ただし1に該当する法人を除く)
  3. 相互会社(保険業法に基づく)
  4. 投資法人
  5. 特定目的会社

法人が「中小企業者等」に該当するかどうかの判定は、原則として、資産取得時および事業の用に供した日の現況によって行われます。

ただし、事業年度終了時点で従業員数が基準以下であれば、その年度に取得し事業に供した資産についてもこの特例の適用が認められます。

 

注意点:償却資産税との関係

この特例を適用し、30万円未満の減価償却資産を損金算入した場合、それらの資産は償却資産税の課税対象となります(地方税法上)。

ただし、以下の資産は償却資産税の課税対象外になるため区別が必要です。

  • 取得価額が10万円未満の減価償却資産
  • 一括償却資産(20万円未満で3年均等償却を行う資産)

したがって、30万円未満の資産であっても、この特例を適用したものは償却資産申告の対象となるため、資産台帳などでの管理が不可欠です。

 

仕訳の処理方法

この特例を適用して30万円未満の資産を購入した際には、購入時点で「消耗品費」という費用勘定を用いて仕訳を行います。

この仕訳を行うことで、期末に改めて減価償却処理をする必要はありません(ただし償却資産税の申告は必要)。

 

具体例:30万円未満の資産を購入した場合の仕訳

<例題>
応接セット 290,000円 を現金で購入し、事務所の応接室に設置した。

当社は中小企業者であり、青色申告法人として、この特例を用いて 30万円未満の資産を購入時に費用処理している。

本年度の対象資産購入はこれが唯一である。

仕訳(購入時)

借方 金額 貸方 金額
消耗品費 290,000 現金 290,000

このように、購入時点で全額を消耗品費として費用化しているため、期末での減価償却処理は不要です。

ただし、前述のとおり償却資産税の申告対象となるため、資産管理台帳などへの記録・保存を忘れないようにしましょう。

 

まとめ

  • 青色申告法人である中小企業者等は、取得価額が30万円未満の減価償却資産(少額減価償却資産)を購入時に「消耗品費」として即時に費用処理できます。
  • この特例は年間300万円までの範囲で適用可能です。
  • 特例を適用した資産は、償却資産税の課税対象となるため注意が必要です。
  • 期末の減価償却処理は不要ですが、帳簿や資産台帳への記録・管理を確実に行いましょう。

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